セキュリティ

センター長 園田道夫のセキュリティコラム

第21回 コンテンツ量産中

前回のコラムでは今年2025年はセキュリティ関連書籍の当たり年だ、と書きました。

昨年2024年、そして今年と書籍の制作に関わりましたが、両方とも翻訳本で元ネタがあるのにもかかわらず、非常に大変でした(笑)。 自動翻訳や生成AIのおかげで翻訳自体の生産性は劇的にあがりましたが、違和感無く読める日本語にするリーダビリティ的な側面や、内容の検証などは相変わらずの方法論でやってますから、まぁ手間暇はかかりますね。 この手間暇の部分も生産性は上がっているのですが、まだまだヘビーです。

もっと簡単に、カジュアルに量産したい、と思っていたところ、生成AIベースの動画制作の品質がだいぶ上がってきていると聞き、作り始めてみることにしました。 ともかく量産が重要なので、長尺のものを作り込む気は最初っからありません(笑)。 ちょうど良いタイミングでsoraがバージョンアップしてsora2になり、10秒または15秒の日本語で喋る動画を良い感じに作れるので、これ幸いと量産しました。

200本くらいストックできたので、youtubeでチャンネル「 情報セキュリティでひとこと 」を作り、週3くらいのペースで公開していくことにしました。

動画制作AIはいろいろ試しましたが、日本語はまだまだハードルが高く、言い間違いやイントネーションの違和感とかが頻発します。 sora2はその中でもかなりマシな方ですが、それでも使いこなしにはさまざまな試行錯誤が必要でした。 今はだいぶツボがわかってきたので、言い間違いはほとんど無くなりましたが、油断するとすぐ出てきます(笑)。なかなか良い感じに学習してくれないですね(笑)。

15秒というとテレビCMの短いバージョンと同じ尺ですが、CMのように作り込まないで作ろうとすると、詰め込める情報の量をなかなか増やせません。 その点も試行錯誤した結果、若い女性の関西弁が最も情報を詰め込みやすいことがわかってきました。 どれだけ細かく設定情報を入力しても、最終的にどんなキャラクターが生成されるかはギャンブルなので(笑)、情報をたくさん入れ込める確率が高いものを選んでいった結果、そういう結論になりました。

言葉と情報量についてはある程度最適解を見出せたわけですが、問題はファッションでした(笑)。 若い女性のファッション?衣装だけでなくヘアスタイルとかもけっこうきっちり指定しないと、どこかに違和感のあるコーディネートになってしまうことがあります。 衣装の指定が甘いと、着こなし方がおかしくなったりすることもありますし、そもそも若い女性のファッションとか筆者の最も苦手な分野なので(笑)、ファッションカタログを見まくって学習する必要がありました。

まったく何やってるんだオレは、と思ったりしてました(笑)。 カタログにあるようなファッションはまぁまぁお金がかかっているものだし、いつもそんな一張羅(古)を着てるわけでもないと思うので、普段着っぽいファッションが良いのですが、そういう情報は意外と転がっていなくて苦戦しましたね。

いっそのこと女子高生まで若くすれば制服になるので、変な破綻が生まれにくくなるのですが、一般的な女子高生のイメージにマッチする情報セキュリティの内容がどうしても限定されてしまうので (例えば、一般的に高校生はクレジットカードを持ってないので、クレジットカードに関するひとことは使えない、というようなことになります)、できれば女子大生か、社会人くらいにしておきたい。 そうなるとファッションのハードルが上がる、というわけです。 そういう苦労(笑)がありつつも、それでも全体的には圧倒的に楽に量産できるので、ひとことネタが尽きるまでは量産し続けようと思っています。

近年の詐欺被害額の伸び( 例えば、こんな統計があります。 )を見ていると、啓発するべきテーマや材料は当分無くなりそうにありませんが。

なお、動画をyoutubeで公開して興味深かったのは、縦型のフォーマットの動画、youtubeで言うところのショート動画の方が公開すると多数のアクセスがあることです。 確かに、youtubeで動画を視聴していると、ショート動画がたくさんタイムラインに上がってきますし、目に触れやすい印象があります。 横型の良さもあるのですが、横型動画のアクセス数は現状は惨憺たるものなので(笑)、縦型に絞っていくべきか、縦型ならばTikTokなどにも展開できる、などと戦略(笑)を練っているところです。